比較するのは、
「アーロンチェア クラシック ポスチャーフィット フル装備 Bサイズ」と
「エルゴヒューマン プロ EHP-HAM KM-11 (エラストメリックメッシュ)」
座面メッシュ・オットマンなし
の2機種。
良いオフィスチェア・デスクチェアが欲しいけど、「どちらを買えばいいかわからない」という方向けの記事です。購入検討の参考にしていただければ幸いです。
この記事の感想は全て著者一人の主観です。
体型や好み、使用環境により全く変わってくると思いますので、あくまで一個人の感想として参考にしていただければ幸いです。
購入検討の際は、「店頭で試座をする」ことを強くオススメします。
YouTubeで動画も作成しました。
実物を見てイメージしたいという方は、ぜひご覧ください。※約5分↓
オカムラのチェアも試してきたので記事を書きました。結論としてはアーロンチェアの方が良かったです。
結論
アーロンチェアはデスク作業向き
エルゴヒューマンはリクライニングでリラックス向き
・座り心地はどちらが優れているというわけではなく、完全に使い道に依る。
・アームなどパーツの作りの丁寧さは定価の値段差もあり、アーロンチェアが優れている。
私の場合、机に向かって作業することが多く、リクライニングはあまり使わないのでアーロンチェアを選択しました。
エルゴヒューマンに関しては、組み立ての必要がない完成品の購入がオススメです。
Amazonでは「メーカー組立完成品」と記載されているものか、Ergohuman Professional Dealerの出品者を選択すると完成品が購入できます。
両機種の比較
座面の硬さ
◎アーロンチェアは、やや硬めで張りがある。この絶妙な張りのおかげで安定感が素晴らしく長時間の使用を支えてくれる。
△エルゴヒューマンのエラストリックメッシュは、柔らかめでかなり沈み込む(ソファーの感覚に近い)。
軽く座ってみると、こちらの方が座り心地が良いと感じる人も多いかもしれないが、数十分経つと、お尻の「座り」が悪いと言えば良いのか、うまく体重を分散できていないようで結構疲れる。
※3Dファブリックメッシュに関しては試せていないので無評価です。
直立姿勢での座り心地は、アーロンチェアが優れている。
誤解しないでいただきたいのは、エルゴヒューマンも安い椅子と比れば遥かに良く、使うに耐えないという意味ではないということ。
リクライニング
◎エルゴヒューマンは、リクライニングを倒して休憩や映像鑑賞をするのに大変優れている。
ヘッドレストが付いていることに加え、頭からお尻までソファーのように包み込んでくれるような感覚で非常に快適。
◯アーロンチェアも悪い部分は全くない。
1時間程度座りっぱなしでも、特に問題はありません。
リクライニング固定の機能は無いですが、それ以上後ろに行かないようにする半固定は最大限後ろに倒す場合を含めて3段階可能です。(→実際もう少し細かく調整できます。正式にはどうなのか分かりません。)これはリクライニングの硬さをレバーで緩めると、体重で後ろに固定されるので実質的に固定ができます。
*頭の支えが欲しければ、壁際に椅子を持っていき壁に頭を預けるという荒技も一応あります。
(販売されているアーロンチェア用のヘッドレストは純正ではありません。)
操作性
◎エルゴヒューマンは、右側のレバー一本で昇降・リクライニング・固定・座面スライドの全てを兼ねるので便利です。
△アーロンチェア クラシックは、右側に昇降レバー、左側にリクライニング・前傾チルトのレバーが独立しています。
作りの精密さ
◎アーロンチェアはアームがしっかり固定されており、ガタ付きが無い。
△エルゴヒューマンは、アーム・ヘッドレストなど所々にガタ付きがあり、アーロンチェアと比較すると作りの甘さが目立つ。
ここは定価の差が関係する部分だと思いますので、ややアーロン贔屓の比較です。すみません。
その他
前傾チルトについて
アーロンチェアの前傾チルトに関しては、
私は机に向かって作業するとき前傾になりがちなので前傾チルトは重宝すると思ったのですが、アーロンチェアの前傾チルトは姿勢がきつくて私には合いませんでした。
エルゴヒューマン プロに関しては、
座面下のネジを回すことで20mmの前傾チルトが可能ですが、アーロンチェアほど大きく角度が変わらないので自分に合う角度に微調整するという程度。背もたれまで前傾するわけではないので、アーロンチェアの機能とは全く違います。また、アーロンチェアと違って座りながら調整ができないので、頻繁に上げ下げする使い方には不向きです。
以上から、私が前傾チルトを使用できていないので無評価です。
気になる方は試座してお確かめください。
アーロンチェアで「前傾チルトが要らない」かつ「肘置きが動かなくても良い(または、要らない)」という方は「アーロンチェア ライト」が廉価版として安く購入できます。
座り心地は全く同じなのでお得です。
座面の高さ
△エルゴヒューマン プロは46.0cm~55.0cm
私(173cm)で一番下まで下げて丁度いいくらいです。女性の方は厳しいかもしれません。
◯アーロンチェアの方が融通が効きます。
クラシック 41.5~56.0cm
リマスタード 40.5〜52.0cm
座面の摩擦
△エルゴヒューマンのエラストメリックメッシュは摩擦が大きい。
◯アーロンチェアのメッシュはツルツルしていて摩擦が無い。
地味なポイントですが、摩擦があるとお尻を動かしたときに座面と接触している服が引っ張られてしまうのが個人的には好きではない・・。
ロボット掃除機との親和性
×エルゴヒューマン
◯アーロンチェア
私はブラーバ390jを愛用しているのですが、アーロンチェアは脚と床の隙間が十分なのでブラーバが通ってくれますが、エルゴヒューマンは引っかかってしまい傷がついたりたまに挟まって停止してしまいます。
※ルンバは筐体が大きいのでアーロンチェアでもスタックしてしまうようです。
アーロンチェア リマスタードも同様。
エルゴヒューマンに関しても、ロボット掃除機が挟まるのを防ぐ方法は有ります。ネット検索で見つけた方法ですが、ネックピローを脚に挟むことでスタックを防ぐことができます。
まとめ
→机に向かって直立または前傾姿勢で作業をすることが多い人。
→リクライニングを倒して休憩することが多い人。
→読書や映画・アニメ・音楽などの鑑賞に使いたいという人にもオススメ。
エルゴヒューマンの選び方
フラグシップの「エルゴヒューマン プロ」の下位機種について。
私は店頭で「エルゴヒューマン エンジョイ」を試したのですが、ヘッドレストが肩に当たってしまい全く身体に合いませんでした。
公式サイトにも記述がありますが、「ベーシック」は背もたれの高さが足りない可能性があり、座高が高めの方にはハイバックの「プロ」一択になります。
⬇︎
「エルゴヒューマン プロ」の場合、決める必要のあるオプションは
- オットマンの有無
- ヘッドレストの有無
- 座面の種類(メッシュ or モールドクッション)
- メッシュの種類(エラストメリックメッシュ or 3Dファブリックメッシュ)
になります。
- オットマンは、こだわりがある方だけで良いと思います。展開がやや手間です。差額は+16,500円。
- ヘッドレストは、リクライニングした際の快適性が上がるので有った方が良いのではないかと思います。(私の主観ですが、有った方が見た目もスタイリッシュ。)
- 座面の種類は、夏場に蒸れるのが気にならなければ、好きな方で構わないと思います。
私はどうしてもダメなのでメッシュを選びました。 - メッシュの種類は公式サイトを参照。
エラストメリックは柔らかめ、3Dファブリックは硬めのようです。
※オットマンとヘッドレストは取り外しが不可なので、購入時は注意です。
オットマンは使わなければ支障ないので迷ったら付けておくというのもアリだとは思います。
ヘッドレストが要らず邪魔になる場合には取り返しがつかないので注意です。
型番が多くて分かりにくいという方へ
Amazonなどで検索しても「どれがどれなのか」分かりにくいと思うので表にまとめました。
よろしければ活用ください。(型番はブラックで統一)
購入する際は「完成品」という組み立てが必要ないものが圧倒的にラクです。
組み立ては重いパーツを裏返したりと一人では重労働になりますし、梱包材を処理する手間もありますので、「完成品を買う」か「設置サービスの利用」を強くお勧めします。
※Amazonは「出品者からErgohuman Professional Dealerを選択」すると組み立て済みの商品を購入できます。
オットマンあり
型番 | EHP-LPL KM-11 | EHP-CPL KM-11 | EHP-LPL KMD-31 | →この組合せはなし |
オットマン | ◯ | ◯ | ◯ | |
ヘッドレスト | ◯ | ◯ | ◯ | |
座面の種類 | メッシュ | モールドクッション | メッシュ | |
メッシュの種類 | エラストメリック | エラストメリック | 3Dファブリック | |
Amazon商品ページ | 組み立て完成品 | 組み立て完成品 | 組み立て完成品 | ー |
楽天商品ページ | 組み立て完成品 | 組み立て完成品 | 組み立て完成品 | ー |
オットマンなし・ヘッドレストあり
型番 | EHP-HAM KM-11 | EHP-HBM KM-11 | EHP-HAM KMD-31 | →この組合せはなし |
オットマン | × | × | × | |
ヘッドレスト | ◯ | ◯ | ◯ | |
座面の種類 | メッシュ | モールドクッション | メッシュ | |
メッシュの種類 | エラストメリック | エラストメリック | 3Dファブリック | |
Amazon商品ページ | 組み立て完成品 | 組み立て完成品 →Ergohuman Professional Dealerを選択 | 組み立て完成品 | ー |
楽天商品ページ | 組み立て完成品 | 組み立て完成品 | 組み立て完成品 | ー |
オットマンなし・ヘッドレストなし
※ヘッドレストなしタイプは公式では2021年9月で終売。
型番 | EHP-LAM KM-11 | EHP-LBM KM-11 | EHP-LAM KMD-31 | →この組合せはなし |
オットマン | × | × | × | |
ヘッドレスト | × | × | × | |
座面の種類 | メッシュ | モールドクッション | メッシュ | |
メッシュの種類 | エラストメリック | エラストメリック | 3Dファブリック | |
Amazon商品ページ | 分解品 | 分解品 | 分解品 | ー |
楽天商品ページ | ── | ── | ── | ー |
補足として、Amazonに商品ページがないので見落とされがちかもしれませんが、
アルミフレームを黒に塗装した「エルゴヒューマン プロ ブラックエディション / Ergohuman Pro Black Edition」が販売されています。つや消しのマットブラックでこちらもカッコイイです。私も最後までこちらとかなり迷いました。
通常モデルとの差額は+11,000円。
公式のBlack Edition詳細はこちら
アーロンチェアの選び方
アーロンチェアを選ぶ際は、まずサイズを決めます。小さい順にA、B、Cになります。
⬇︎
次に「フル装備」が必要か。
フル装備とは「前傾チルト・アームの調整機能が付いている」ことを意味します。
基本的にフル装備を買っておけば中古市場での価値も高いので問題ないと思いますが、「前傾チルトとアームの調整が要らない」または「前傾チルトもアームも要らない」ということが明確に分かっている方は、「アーロンチェア ライト」で同じ座り心地で安く手に入ります。
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モデルの選択肢は、最新の「リマスタード」or 型落ち・中古の「クラシック」。
※「ランバーサポート」のアーロンチェアはさらに古い型です。腰のサポート部分の形が違うのでそこで判別可能です。
クラシックとリマスタードの比較については下で書いています。
私感ですが、座り心地には大差ないのでコスパを考えるならばクラシック(中古)がオススメです
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新品か中古か?
新品で購入すれば保証が12年間付くので安いという考え方もありますが、椅子は家で使って初めて合う合わないが分かってくることもありますし、ライフスタイルの変化で好みも変わる可能性があります。
購入した後、自分には合わないことが判明して売却する場合の損失を試算してみます。
新品で買った場合、中古市場での売値が新品価格から約30%減損します。「リマスタードのフル装備」であれば、新品の20万円から、売却益は(手数料・送料を加味すると)およそ14万になり6万円の減損です。
中古で買う場合、新品のプレミアムはすでに無くなっている価格で購入するため、万が一合わなくても売値の手数料(約10%)と送料のみの負担です。「アーロンチェア クラシック」であれば、中古市場で約6万円なので、万が一売却する場合でも、1.5万円弱の損失で済みます(手数料+送料)。
つまりは、「中古のアーロンチェアを買って使用感をテストしてから、そのまま使い続けるか、売却して新品の保証付きに買い換える」というリスク回避的な選択肢もあります。
特に近所に試座できる店舗がない場合にも、「とりあえず中古で買ってみる」という方法は有用だと思います。
今や便利なもので、メルカリには「梱包・発送たのメル便」というサービスがあり、
ヤマト運輸の方が玄関先まで商品を取りに来てくださり、梱包から何から全てやってもらえます。
つまり手間と言えば玄関まで椅子を運ぶくらいのもので、全く面倒なことはありません。しかも、ヤマトの家財便と比較して割高というわけでもなく、むしろ安いくらいなんです。
(アーロンチェアの場合、たのメル便で250サイズの送料は8,600円に対して、家財便の場合は250サイズ・東京都→大阪府で8,855円)
※ヤフオクやメルカリで検索する場合、アーロンチェア クラシックは「アーロンチェア フル装備 ポスチャーフィット B」などで検索すればヒットします。
アーロンチェア「クラシック」「リマスタード」の比較
アーロンチェアの使用感にも慣れたので、改めて店頭でアーロンチェア リマスタード(最新型)との比較をしたので所感を残しておきます。
※これはクラシックの新品を試せていないため完全にフェアな比較ではありません。あくまで参考までに。
結論として、基本的な座り心地は大差ありませんでした。
機能面で全体的に向上していますが、一部不便になっている点もありました。
値段差を考えれば、「アーロンチェア クラシック 中古」のコストパフォーマンスが圧倒的です。
◯座り心地・メッシュの違い
クラシックに比べてメッシュの表面が硬めで、座った時の座面の感触はややリマスタードの方が沈み込みがありフワフワする感覚がある。どちらが優れているという感じではない。(※単にクラシックが経年劣化で張りが弱くなっている可能性あり。)
◎リクライニング可動のスムーズさ
可動が非常に滑らかで、明らかな違いを感じます。(※これも経年劣化かもしれません。)
また、リクライニングの硬さを調整する右手側のレバーはクラシックよりもたくさん回す必要がなくなり調整が簡単になりました。
△操作レバーの位置が遠い
クラシックはすぐ下の手元にレバーがあるのですが、リマスタードはレバー1本に統一された代わりに前方下に移動したため体を前に屈めるか、左に傾けるかしないと届きません。
この点は非常に不便に感じました。これなら自分はクラシックの方が良いです。
◎アームの改良
肘置きのウレタン?はよりモチモチとしていて柔らかいです。
調整幅に関しては、左右の振り幅が3段階から8段階に増え、音は立ちませんがリマスタードの方がカチカチと可動する感覚があり、しっかり固定されています。ガタ付きもほとんど有りません。加えて、エルゴヒューマンのように肘掛け部が前後にも可動するようになりました。
◯ロボット掃除機の入る脚は変わらず
寸法が調べても出ていこなかったので測ったところ、クラシックとほぼ変わらないため問題ありません。
・前傾チルト
前傾チルトの角度が違うという記事も見た気がするのですが、体感では変わりませんでした。
・ポスチャーフィット
自分はこだわりがないので無評価。可もなく不可もなくです。
両方買うに至るまで(余談)
エルゴヒューマン プロ、アーロンチェアをそれぞれ店頭で試座した結果、
アーロンチェアは「なんか硬いな〜」という印象で、「エルゴヒューマン プロが良い!」という結論に至り新品購入。
⬇︎
しかし、実際に家で使っていくと「なんか違う・・・」
リクライニングを倒してくつろぐ時の快適性はピカイチなのですが、肝心のデスクに向かうときの安定感がイマイチ・・と感じるように。
ここで、自分の過ちに気づく。店頭で試座した時、リクライニングを倒したときの気持ち良さや、なんとなくの座り心地で選んでしまったが、自分の生活でリクライニングを倒すことはあまりなく、大体は机に向かっていることに・・・。
試座で重視して確認するべきは、「デスクに向かった際の、リクライニングしない標準位置の座り心地」だったのだ。
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そうして、アーロンチェアを再検討。最新の「リマスタード」は予算オーバーなので、中古で型落ちの「クラシック」に決めた。
しかし困ったことに、「クラシック」の試座ができる場所が近くに無い。現行のリマスタードでも座り心地に関して大きな差異はないだろうと踏んで、リマスタードで判断することにした(ある種賭け)。店頭で1時間ほど座り続け、疲れないし、これは良いと思い、中古で「アーロンチェア クラシック」を購入。
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「アーロンチェア クラシック」と「エルゴヒューマン プロ」の2機種を自宅で比較することに。
デスクチェア購入検討の際は、「自身がどのような姿勢で使うのかを考慮して、店頭でじっくり試す」ということを覚えておいてもらえればと思います
※長時間居座るのは、店員さんの目が若干気になるかもしれませんが、椅子は本来長時間座るものですからそれを試さずに決めろというのは無理があるでしょうし、正当な行為だと思います。
一旦買ってしまうと、処分や売却のコストが嵩みます。大きい家具なので搬入も大変です。
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